フェルデンクライスのボディワークでは、動くときに、できるだけ筋肉を使わない方法を要求されることが多いです。先日のワークショップでも「フェルデンクライスをしていたら筋肉トレーニングをする必要がなくなるのか?(もしくはトレーニングをしない方がいいのか?)」という質問をされた方がおられました。
私の答えとしては「筋肉をトレーニングすることは必要に応じてすべきである」です。この質問について、フェルデンクライスのトレーナーであるアナット・クリヴィンヌ先生はこのように言っています。「フェルデンクライスのレッスンは学習であり、実践とは分けて考えるべきです。」筋肉トレーニングは実践に近いワークであり、フェルデンクライスは学習に近いワークです。
仕事やスポーツにおける実践では全力を出すことを常に要求されます。プロフェッショナルとしてそれに応えていくのは当然です。しかし、よりレベルアップするときに実践だけを経験していても限界があります。全力を出していては気づかないことは、余裕を持った環境で行うことで気づくことができます。それが学習です。
フェルデンクライスのボディワークでは、一見日常生活では行わない動きや絶対やらないようなやり方を要求してきます。これは学習の効果を高める工夫であり、仕事や生活で行う動きの直接的な指導ではありません。なので、日常から離れてフェルデンクライスの動きを楽しんで頂ければ幸いです。そうすればまた日常やトレーニングに戻ったとき、気づきや変化に恵まれるかもしれません。「急がば回れ」が学習における近道なのです。
ちなみに私は筋肉のトレーニングらしいことは行っておりません。見た目はヒョロヒョロで頼りない私ではありますが、肉体労働や畑仕事で筋力不足で困ったことは今のところありませんので。