江崎雅子さんがされているデイサービス木の実のグループレッスンをこの日だけ花坂が代講しております。生後4ヶ月ほどのうちの子供がちょうど寝返りをし始めているので、そのプロセスを参加者の方に体験して頂きました。
寝返りの動きは若いうちは何でもない動きです。しかし、お年寄りや年配の方にレッスンしている最中に「仰向けになってください」や「うつ伏せになってください」とお願いすると、とても難儀な動きになっている方が多いのです。その理由のひとつは、お好み焼きをひっくり返すかの如く寝返りしていることにあります。ひじで支えて軽く起き上がり、ばたんと倒れるようなやり方です。これでは自分の体重をひじで支えられなくなると寝返りが困難になってしまいます。
4ヶ月の乳児はコロっと寝返ります。体は浮き上がりません。トイレットペーパーの芯みたいに転がるのです。大人になってくると意外にこれができません。転がる方向と逆側の手足がうまく協調する必要がありますし、転がる方向の手や肩が途中で邪魔してつっかかったりします。モーシェ・フェルデンクライスはこのプロセスを大人がやるために上手なステップを作ってくれているので、それを40分ほどかけて体験して頂きました。40分かけてなんとか近い動きになった方もいますし、できなかった方も中にはおられたかと思います。
フェルデンクライスのレッスン全部に言えるのですが、今回も寝返りがスマートにできたかどうかは実はあまり重要ではありません。寝返りができなかったとしても日常生活で楽に動く方法が見つかるヒントになればそれで十分です。それは無意識で起こることなので、意識の上では寝返りができなかったことにモヤモヤされていても効果は上がっている場合がほとんどなのです。あともう一つ重要なのは、寝返りのレッスンが楽しかったかどうかです。どこにも楽しさがないものは学べません。これは私の責任ですね。
モーシェの考えた寝返りのステップもシンプルですが、この寝返りをする最もシンプルだと思った一言は「右手を伸ばして右の床から左の床までもっていくときにそれを目で追ってください」というものです。あまり色々言わずにこれだけでコロッと寝返れる方が多いです。実際に寝返りをする前の子供は利き手を伸ばして左右に動かしながら、それを真剣に見つめています。人間は目と手の向く方向に勝手に体をついていかせる能力が元々備わっているのかもしれません。私たちプラクティショナーの仕事の一つは元々備わっているものをできるだけシンプルな方法で呼び起こすことです。実に楽しい仕事だと思います。
次回は8月10日にデイサービス木の実です。シンプルなレッスンをされる江崎雅子さんが帰ってきます。